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読んでみた - PDCA サイクルの P,D,C,A の中で、もっとも重要なのは何?

本/雑誌記事/ネット記事:雑誌記事
タイトル:PDCA サイクルの P,D,C,A の中で、もっとも重要なのは何? <クオリティマネジメント Vol .61, NO.3(2010年)>
著者:狩野紀昭氏

この記事内では狩野モデルには触れられていないが、著者は狩野モデルで有名な方ではないかと思う。同姓同名の他の方でなければ。
PDCAだけでなくTQMの話と思われるが、特にPDCAについて知りたくて読んでみた。

概要

  • 著者の経歴。石川馨氏との関わりなど
  • TQMへの思い
  • 本記事執筆の2年ほど前(恐らく2008年頃)に、TQMの専門家に対して行った「TQM常識テスト」の結果。それをもとに、世の中の常識を踏まえたTQMの考え方

感想、気になった部分

PDCAというと過度にP(計画)を重視したりCheckで余計とも思われる手間がかかったりして、現場の動きを鈍らせるイメージで語られることが多いように思う。特に最近。
この記事で語られるPDCAは、そのイメージを裏切る内容。

例えば、一部を引用すると、

『企業の実務において重要かどうかの基準は,「お客に役立つか」「お金になるか」だと思います。どんなに立派なPあるいはC,Aであっても,それだけでは,お客の役に立たないし,お金にもなりません。』

『結局,品質管理では,ドゥ(Do),応急対策,全数検査などの重要性・有効性を否定しているのではありません。それらが必要であることは,教えるまでもない一般の常識であり,(略)』


PDCA自体を目的とするのではなく、PDCAその他を使って実現したい本来の目的の実現のために重要なことをちゃんと考えて実践しなさい、ということか。
なお、上記の引用のように述べつつも、PDCAを含むTQMの理解や訓練も重要としている。

PDCAに限らず、まずい(ように見える)ツールはそのツール自体問題ではなく、うまく使いこなせない「人」の問題であることも多いのだろう。
安易に「お客に役立つ」「お金になる」だけ重視することが言い訳に使われることもありうるが、逆もまたありうるということで。